2008年8月1日金曜日

髪の毛2

いったい、人類はいつから髪が長くなったのであろうか。
もちろんそれは、有史以前のことと考えられる。

まず言語学的に考えて、「髪」という言葉がはっきりと存在している時代がいつ頃かと考えてみると、たとえば紀元前5世紀頃に成立していた旧約聖書の中の「サムソン」の如き神話的な話などが思い浮かぶ。この話は『サムソンとデボラ』という映画にもなっているからご存じの方もいるかもしれない。

生まれてからずっと髪の毛を切らずにいるサムソンにはすごい力が宿っていたが、髪を切ったとたんにその力がなくなってしまったなどという記述があるのだが、このことから、この物語が語られるようになった時代、つまり、数千年前にはすでに「髪」という言葉が存在していたことが分かる。

ということは、既に数千年前には髪と他の体毛とがはっきりと区別されていたということでもある。つまり、髪の毛というものが、「概念化」されているのだ。

また、エジプトで発掘されているツタンカーメンなどのファラオ(王)たちのマスクや壁画などには、はっきりと髪の長い人々が描かれている。

そういった意味では、やはり人間というものは、他の生命体に比べ脳が発達したことにより、頭部を保護するために頭部の体毛のみが異常に発達し、髪が伸びるようになり、それが「髪」という概念となったと言える。

そして、髪が長いという人間の特徴こそ、人間が知性をもつようになったことの外面的な現れでもあると考えられる。


夏になるとなんとなく邪魔臭く感じる髪の毛ではあるが、人間の「人間らしさ」を現す重要な証拠でもあるといことを改めて認識したように思う(笑)

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