2007年7月31日火曜日

弁当にみる人生哲学

昼時というのは、大変面白い。人それぞれの特徴が見られる。
飲食店に行く人、コンビニ弁当を買う人、社員弁当で済ませる人、愛妻弁当を食べる人。
もちろん、日によっても違うであろうが、その人なりの事情や性格、家庭環境などを思い浮かべると楽しい。

 私が以前働いていた職場では、毎日愛妻(?)弁当を食べる初老の方がいらっしゃった。内容は前晩の残り物なのか、早朝に奥様が作られたものなのかは定かではないが、いずれにせよ、毎日、新聞を片手に、弁当を隠すようなしぐさで、必ず愛妻弁当を食べておられた。
味わっているのかもわからない、美味しいのかもわからない。しかし、確実に言えることは、私が知る限り、その方はこの年齢になるまで、毎日毎日、ずっと愛妻弁当を食べ続けているという事実である。そこに彼の人生の縮図とも言えるものが厳然と立ち現れてくるのである。これこそ愛だな、と私は感じた。

 たったひとつの弁当にさえ、日常を超えた世界が存在するのだ。

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