2008年2月5日火曜日

おいとわい

長崎の知人と久しぶりに電話で話した。
私にとっては久しぶりに長崎弁に触れる機会であった。

彼との会話で思い出したことは、「おい」と「わい」という言葉である。


子供の頃、「プロゴルファー猿」という藤子不二雄さんのアニメがやっていたのだが、その中で主人公の猿くんは、自分のことを「わい」と言っていた。これは広島弁の方言で、自分のことを指す言葉(一人称)であるのだが、通常「わいは・・・」という会話を聞くと、自分を指す言葉のことだと誰もが思うのではないだろうか。

ところが長崎弁では、「わい」とは相手のこと(二人称)を指す。

 私は3年ほど長崎に住んでいたことがあるのだが、初めて長崎弁に触れたときには、この「わい」という言葉の意味がさっぱりわからなかった。たとえば、長崎弁では、「わい、なんばしよっと?」というと、「お前は何をしているんだ?」という意味になる。ところが、私にとって「わい」とは自分自身を指す言葉(一人称)であるため、「わい、なんばしよっと?」と言われると、「俺は何をしているんだ?」という意味に聞こえてしまうのである。だから、(この人はいったい何を言っているのだろう?)とか(この人、自分に話しかけてるぞ・・・)という風に理解するのである。自分に対して言われているとは初めのうちはまったく理解できなかったのである。

だから、「わい、バリ(とても)頭良かけんねぇ~」などと、相手にからかわれた場合、私にしてみれば、「俺はとても頭がいいんだぞ~」という自信過剰の発言として捉えられるのである。そこで、自信過剰な人だなぁと感じつつも、「ええ、そうですよねぇ(ニコ)」と返答してしまうと、私自身がかえって自信過剰の発言をしているかのごとく受け取られ、「わいは横着っかなぁ」(お前は横着だなぁ)といったように逆ギレされてしまうのである(笑)

長崎弁に慣れて、自分のことを「おい」、相手のことを「わい」と区別して聞き取れるようになるまでは、一人称と二人称が混乱した。

長崎に旅行に行かれる方は、ぜひお気をつけいただきたいことの一つである(笑)

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